Alstroemeria

「……何だいきなり。世界を滅ぼす予定でもあるのか。」

「いや俺一般人だから。そんな大それたこと考えたこともないから。単なる好奇心？ね、誰がいい？」

「…その滅んだ世界とやらは、人類が絶滅したということか？」

「んー…じゃあ、生き物という生き物が死滅して、焦土だけになった世界という設定で。」

「…よく思うけど、お前結構ネガティブだよな。」

「うっさい知ってる。で？」

「（何でこんなにこの質問にこだわるんだろう…）いや別に…普通一番大事な奴、じゃないか。」

「俺？」

「死ね。」

「ひど！ひっどー！」

「黙れ阿呆。…お前こそどうなんだ？」

「ん？俺？皆死ねばいいと思う。」

「さらりと言ったな…！」

「どーしても一人生き残るなら、俺になんの接点もない誰かがいいなぁ。」

「……理由、は？」

「俺ねー、置いてくのも置いていかれるのも嫌なの。死ぬなら皆一緒に死んで欲しいわけ。腕とか足とかみーんな取れちゃって形も分からないくらい細切れになって、ぐっちゃぐちゃに混ざり合って一つになって死ねたら、スッゴク幸せ。」

「自分勝手な。っていうか気持ち悪い。」

「そういうわけだから、その時はちーちゃんも一緒に死んでね。」

「だが断る。」